橋下徹弁護士訴えられる(その1)

やはり、というか終にというか光市事件の弁護団に属する4人の弁護士が、
橋下徹弁護士を相手取り1人当たり300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。


従来の懲戒請求に対する訴訟と違うのは、懲戒請求を行った本人ではなく、
それを煽った橋下弁護士に対して行ったことです。


> 母子殺害事件の弁護士は、懲戒請求を行った人たちについて「橋下弁護士にそそのかされ、被害者的な面もある」として、現段階では提訴しない方針だという。


素人衆は勘弁して下さるようです。これまでに懲戒請求を行った人たちは一安心ですね。
でもこれからもずっと容赦してくれるかは定かではありません。今から懲戒請求するのはかなりリスキーですよ。


YouTube に問題発言のムービーが上がっていたので見てきました。
橋下先生かなりやばいです。


1.懲戒請求の重みと危険性


単に制度を紹介しただけという人がいますが、一般人なら通っても弁護士の場合はどうでしょうか。
ムービーの説明だけ聞いていると、一般企業の苦情受付窓口に投函するようなものに聞こえるますが、
懲戒請求は場合によっては弁護士生命を奪うほどの重みがあり、そのためいい加減な請求をすると、
刑事罰、民事罰を受ける可能性があります。


その重みと危険性の説明なしに、誰でも簡単にできると言ってることが問題です。
懲戒請求が誰にでも開かれているのは、弁護士に仕事を頼んだのに裏切られた人のためだと思うんですが。


あと橋下先生自身は懲戒請求を行っていないことに留意しましょう。


懲戒請求の重みと危険性については次のブログが参考になります。

http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0aae66140bb428ac787e6169890fd64b
http://sokonisonnzaisuru.blog23.fc2.com/blog-entry-451.html


2. 因果関係


この事件の争点は違法性と因果関係の二つあり、二つとも証明できなければ原告敗訴になります。
因果関係の方は難しいのではないかという意見もありますが、
橋下先生は法律家として責任を持って発言した記者会見で述べたそうですので、
因果関係では争わず、男らしく適法性一本槍でいくかも知れません。


刑事のような厳密な証明は必要ないので、因果関係の成立は認められると思うけれど、
割合的にどうなるか(金額に関係する)は予想つかないですね。


3. 懲戒請求の理由


記者会見では「説明責任を果たしてない」というものだったが、
放送時の発言だと弁護団の弁論が理不尽だと思えば請求しても良いと受け取れる発言だった。
先ほど橋下弁護士のブログを見るとそれに近い考えのようなので引用する。


2007年 09月 07日
私から皆様へのお願い

(前略)
光市母子殺害事件弁護団の弁護活動は、弁護士会に対する信用を害した、品位を失う行為であったを立証するには、世間の皆様がそのように感じたという証拠を集めなければなりません。そしてそれは数が多ければ多いほどありがたいです。
すなわち、今回の弁護団の活動によって弁護士会の信用を失った、また品位を欠いていると考えているのは、私の独り善がりの考えなのかどうかという点がポイントとなります。
(後略)



4. その他


2007年 09月 07日
私が提訴されたことにつきまして


(前略)
私の主張の骨子は、弁護士法上の懲戒事由である「弁護士会の信用を害する行為、品位を失う行為」の基準は、世間の基準だということです。
世間が弁護士を信用できなくなった、品位がないと言っているのに、弁護士会がそれを否定することはできないと考えています。
(中略)
「刑事弁護人はたとえ国民全員を敵に回しても、被告人の利益をはかることが職責である」というカビの生えた古い題目を唱えるだけでは不十分です。
(後略)



読んでて眩暈がしてきたのでいったん打ち切ります。

やっぱり橋下先生は頭がいいわ。世間の声が弁護士の品位を決めることになれば、
正邪に関係なく有名な弁護士(特にテレビが利用できる人)は無名な
弁護士を懲戒してお終い。裁判も迅速化するでしょう。依頼人への義務から解放されて
多くの弁護士も喜ぶでしょう。