光市事件についてのテレビ報道


 最初にこの事件について書いた時は何故こんなに弁護団がバッシングされるのか
分からなかった。YouTube などでテレビでどのように報道されたのかを見ると納得したが、
そら恐ろしくもある。


 テレビが弁護団を紹介するときには「死刑廃止論を展開する20人を超える大弁護団
といった枕詞が付き、コメンテーターは「死刑廃止運動をする弁護団」を批判する。


 この件に関心をもってある程度調べている人なら、弁護団には死刑存置論の人もいること。
弁護活動は死刑廃止と無関係に行われている事を知っている。
また今まで一度も弁護団がどのようにこの事件を死刑廃止運動に利用しているか具体的に指摘されたことはない。


 それにも関わらず、この段階でもまだ弁護方針と死刑廃止運動を結びつける報道を続けている。

光市弁護団と死刑廃止論

自滅するメディア(前編)


 全く根拠がないのに弁護団がこの事件を死刑廃止運動に利用していると非難を受けている状態は、
イラク戦争前にフセインが 9.11 に関係しているとアメリカ人の過半数が信じていたのと共通するものがある。



補遺.1

 あと「弁護団は無罪を主張」という報道もあった。これは「殺人については無罪」とか
「殺人ではなく傷害致死を主張」と言わないと誤解させると思う。


補遺.2

 この事件についてのオーマイニュースや Live Door のパプリックジャーナリストの
記事を見ると、テレビと大差ないのがほとんどであった。自分で少しも調べもせずにテレビ報道の
感想を書くだけではジャーナリストとは言えまい。


補遺.3

 以前からこの事件のテレビ報道の問題を指摘している
So-net blog:綿井健陽のチクチクPRESS